撚りと縄作りについて
縄は3本の紐が撚り重なって1本の縄になっています。
まずはその紐を作る所からです。
糸を太い糸だと約10数本、細い糸だと約20数本を束ねます。
その束を捻り、撚りをかけていきます。
この時の捻り方向は時計回りです。
業界用語でS撚りと言います。
この束の撚りの強さ加減で、縄になった時の硬さや柔らかさが決まります。
手で撚るとどうしても一定の強さに撚れず、完成した縄が不安定な物になってしまいます。
そこでトルクメーターなるものを用意して改良し、撚りの強さを目で見て分かるようにしています。
これにより安定した縄作りが可能になりました。
3本共に同じ強さのトルクで撚ります。
その後、3本を一纏めにして先程とは反対方向の逆時計回りに撚ります。
業界用語でZ撚りと言います。
これで縄が完成します。
言葉で書くと簡単な作業工程になりますが、実際は手作業なので色々な裏技を使っています。
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デジタル機器にて撚りの強さを管理。
手で撚るとこについて。
出回っている縄は全て機械による撚りで作られています。
梱包等に使う縄は、撚りのキツさが必要ではなく、撚りがあって解けなければ使えます。
機械では、強く撚りを加えて切断するリスクを負うより、切断されない適度な緩さで撚られていま。
緊縛縄を作るにあたって、人間を吊るす事にも使う縄である事から、強く頑丈な縄を作ることを考えました。
撚りは強い方が頑丈ですし、長持ちもします。指で縄を崩すことも無く、良いことずくめです。
繭縄は手で撚るので、麻糸の限界まで撚れます。
撚り過ぎてしまうと麻糸は切れるのですが、切れる限界まで撚る事にしました。
麻縄の限界の撚りの強さの緊縛縄が実現したのです。
繭縄のスタンダードがこの限界の撚り強さです。
後は引き算で、そこから撚りを弱くして、お客様のオーダーに答えられる撚りの強さの縄を作れるようになりました。